■韓国ドラマ「スターの恋人」ソ社長の苦悩と歪んだ愛
韓国ドラマ「スターの恋人」の中でイマリとチョルスの愛を引き裂く悪役キャラでお馴染みのソ社長。
今回は誰も共感しないであろうこのソ社長に共感してしまいそうになるほどソ社長びいき目線で「スターの恋人」を振り返ってみました。
このソ社長ですが、イマリのことを「私の作品」と語ることからもわかるとおり、イマリに対し普通とは異なった愛情を注いでいる人物といえます。
1話で「代筆するなら依頼人に1度会わせてくれ」と言うチョルスに対し、「その人に会うには資格がいるんだ」と自慢気に語るソ社長に、(自分が作り上げたスター)イマリに対して、強い誇りを持っていることもうかがえます。
このソ社長のイマリに対する愛情は、3話の料亭でチョルスについて「またお前が傷つかないか心配でね‥」とイマリのプライベートな部分にも踏み入る会話もしており、イマリもそれを了承しているため、仕事上の付き合いを越えた関係でよく言えば父親と娘のような関係に近いといえます。
ちなみに長年芸能界を共にしてきたイマリにとってもソ社長の存在は、事故で亡くなった両親の代わりとして、恋人以外に自分のことを一番に理解してくれている人物として自分の家族のように絶対的な信頼を置いています。
10話で代筆スキャンダルが出た後もチョルスに「こんなときは社長に任せておけば失敗はないわ!」と語り、後処理をすべて任せていることからも相当信頼している証拠といえます。
ソ社長とイマリの間でよく「今まで築いてきた10年間‥」といったセリフが出てきますが、イマリがアジアナンバー1女優としての今の地位を築くに当たり、ソ社長はイマリ自身も知らないような相当な苦労や犠牲(人を傷つけてきた)を払っていたのはウジンの件も含め想像がつきます。
6話で撮影当日になってもイマリが現れず、番組の担当者に「大変申し上げにくいのですが‥」とイマリが来れないことを申し訳無さそうに謝罪するソ社長の姿には、これまでにもイマリの気分やわがままによって何度となく代わりに謝ってきたことを連想させるようなシーンといえますし。
ソ社長がもういい年なのにまだ独身(※奥さんが出てこないので)でいることにも、よそ見せずイマリ(作品)に対し人生を賭けてきた結果といえます。
特に1話で美容院で働いていたイマリをソ社長が発掘後、すぐ売れたように描かれていますが、実際にはイマリには演技の才能は全くなく(※9話で代筆疑惑が出た後、「イマリはスキャンダルとスター性で売れた人、演技派でもないし‥」とニュースを見た一般人が本音を語っている)、ソ社長との二人三脚の努力によりなんとか売れることが出来たのではないかと思います。
※チェジウで10代の役はかなり無理ありますね^^
イマリがスターと呼ばれるほど売れるまでの間には、当時のイマリの出来の悪さ?(※演技が下手等、)に対する各方面からの批判などを一手に引き受け、それらすべてに頭を下げて、円滑にいくよう裏で進めていたのがソ社長だったのではないでしょうか。※ここは私の想像上ですが
そんなイマリとしての売れるか売れないかの大事な時期にソ・ウジンのことを知ったら、ウジンとの仲を引き裂いてでも仕事に集中させようとするのはソ社長にとっては当然の行動といえます。※やり方は汚いですが‥
また、このときのイマリは売れ始めたばかりなのもあり、ソ社長とイマリがこれまで味わってきた苦労と今後の夢を語れば、イマリもそれに納得してウジンをあきらめ助言に従うことを選択したのだと思います。
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【イマリ目線】
※ただ、イマリにとってはソ社長の助言どおり行動したことで大きな成功を手にすることは出来たが、逆に成功すればするほど、ウジンを捨てたことに対するウジンへの罪悪感が積もることになります。
4話で「アスカの恋人」が予想以上に売れたことで、仕事のレベルが上がり、さらに大きな成功を手にしたイマリに「前人未到の境地を一緒に目指そうと‥」とソ社長がさらに大きな夢を語りますが、すでに成功を手にして成功の価値について知ってしまったイマリには、ソ社長の夢に興味を持つどころか「ウジンのときみたいにだまされない‥」とソ社長のやり方を批判します。
このときはじめてソ社長のやり方で自分が成功したのは間違っていることをマリ自身は実感したのだと思いますが、それによってウジンを捨ててまで得た成功の対価にも疑問を持ち、ウジンへの償いの気持ちが再び出てきたのだと思います。
そのため、15話でウジンと再会後のイマリはこの罪悪感と償いの気持ちから、チョルスそっちのけでウジンに尽くすことになってしまいます。※病気のこともありますが‥
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イマリとウジンを引き剥がす行為についてですが、ソ社長はイマリのマネージメントも務めつつTSエンタテイメントという会社の経営者でもあるので、雇っている社員の給料を払うためにも会社の利益を常に上げ続けなければなりません。※しかもTSエンターテイメントは株式公開?もしているようなので出資している株主や投資家のことも考えなくてはなりません。※ソ社長の悩みは尽きない。
そして会社の利益を上げるためには、一番の稼ぎ頭のイマリという商品価値を上げるのが最も効率の良い方法だといえるので、そのためにもソ社長はまずスターイマリのブランドイメージを汚す恐れのあるスキャンダルについて敏感に反応し、イマリに近寄る男を選別することになります。
相手がイマリのレベルと同等以上の有名人や財閥などであれば、イマリのイメージを崩すことはないが(※むしろ話題性になる)、大学講師(チョルス)や無名カメラマン(ウジン)との恋愛は、マイナス要素が多すぎるため事前に芽を摘んでおく必要があります。※ウジンの排除もこの理由からだと思います。
2話で紙袋の男のスキャンダルが出た後、大学講師のチョルスに対し「(イマリと)本当に付き合っていたらただじゃ済まん!」と脅していたのも、早めに芽を摘んでいた行為といえます。
ただ、3話のファンミーティングで、盛り上がる会場を横目にチョルスがあきらめて会場から立ち去る姿を見たソ社長の姿は(ウジンのことを思い出していたのか)チョルスに同情するような意味ありげな表情をしています。※あきらめなければウジンの二の舞にしようとまで考えたのかはわかりませんが
そして6話でイマリが行方不明になると、チョルスの裏切りがないよう”代筆”の口封じをしにいきます。ソ社長にとっては、4話でチョルスがイマリに聞きたいことがあると言ってたのを門前払いしたこともあるので、その逆恨みで”代筆”のことを暴露するかもと考えたのでしょう。
イマリの商品価値を上げるイメージについては、ソ社長の思惑通り、イマリの知的イメージアップ戦略の”代筆”により上昇し、これまでにない成功を手にすることになりますが、その反面、TSエンターテイメントという会社はイマリのブランド一本で成り立っているのが浮き彫りになります。
最近になってジャンスを育成し始めるが、いつかイマリの心が変わりTSから去ってしまえば、やり手のソ社長といえどTSの会社はそれまでです。
ソ社長にとって、イマリはタレントの一人に過ぎないが、あまりにも売れすぎてしまったためそのタレントが持つパワーは、すでに会社の行く末まで動かし、ソ社長をも脅かす存在になっていることにソ社長も気づきます。
※4話で「アスカの恋人」がバカ売れした後にイマリが皮肉っぽく言った「そろそろ結婚でもして芸能界を引退するわ!」という発言はソ社長にとっては全く冗談として受け取れないでしょう。その後の「(マリアー)待て!」と呼び止める力強さがかなりの動揺を示しています。
これまで自分(ソ社長)がいなければどうしようもなかったであろうイマリをなんとかスターとしての地位まで教育(コントロール)してきたソ社長だが、あまりにも売れすぎてしまったため今度は逆にイマリの言動や行動に自分がコントロールされてしまうというなんとも惨めな状態に陥ります。
ここでイマリはソ社長とやっと対等以上の関係になったと言えます。イマリにとっては、特に問題がなければもうソ社長と一緒にやる必要はなくなったと思います。
ただ、ソ社長にとってはイマリが居なくなったら今までの人生すべてが水の泡になる訳で、なんとしてもイマリを囲い込まなければなりません。
こうなるとソ社長がイマリに人生を賭けてきた10年の価値はイマリ自身が握っていることになり、ソ社長にとっては悔やんでも悔やみきれない感情があることでしょう。
イマリがもし結婚して芸能界を引退なんてことになったらTSとソ社長は終わりです。※チョン・ウジンのイマリのいないTSに興味はない発言も全くその通り。
これ以降、イマリが言うちょっとしたわがままにもソ社長はかなり敏感に反応し、イマリの行動に監視をつけたり、部屋を突然訪れたりとチョルスとの関係にもかなり神経質になっているのが伺えます。
そして、ソ社長にとって一番恐れていたイマリが契約更新にサインしないという現実を突きつけられたことで、ソ社長にとっても諸刃の剣でもある”代筆”を自らでっち上げ、イマリが自分を頼ってくるようあらゆる手を使うことになります。
ただ、再度イマリと契約するにあたり、会社としてではなく、ソ社長個人と契約をしていたことについては、すでに会社の利益がどうとかというより、イマリ個人に対するこれまでの10年に抱えた恨みや妬み等あらゆる感情がごちゃ混ぜになった執念とも思える拘りがあるように思います。
このソ社長の背景はあまり描かれていないがイマリと同じく芸能界を長年一人で生きてきたなかで、かなり傷を負った人物といえそうです。
今日の17話の放送前に、ソ社長目線でいろいろ振り返ってみたが、いろんな角度から見すぎためにこの「スターの恋人」が逆によくわからなくなってきた。
ただ意外にソ社長目線も共感しようと思えばなんとなく出来るようだ。イマリが思い通りに動いてくれないソ社長の苦悩ぶりが、逆に見ごたえあってなかなか面白い。
10話の病院にて代筆を告白した後のイマリの顔を見たソ社長の「ああ、何やってんだ‥」と思う困った表情が可哀想でなんとも良い。
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